講  演     梓澤和幸


国分寺市立第一中学校講演〜学生の感想〜
(2004年7月15日)

   梓澤和幸さんのお話を伺って

修学旅行に行く前の朝礼で、弁護士の梓澤さんが 「松本サリン事件」 のお話をしてくださいました。その感想文をいくつか紹介したいと思います。

●人権とは 「人が人を慈しみ 信じること」 なのかな
  松本サリン事件のことは知っていましたが、河野さんのことは知りませんでした。やってもないことを、やったと決めつけられ、報道されて、きっと御本人は驚きと同時に、とても傷ついたと思います。永田弁護士の協力で「無罪だ」ということが少しずつわかっていきましたが、傷付いた河野さんの心は癒えていないのでは、と私は思いました。それでも河野さんは負けずに戦い続けて、強いんだなと感じました。真犯人がみつかり、河野さんの身の潔白は証明されましたが、名誉を回復していくには、長い時間と協力が必要だったと思います。今回、梓澤さんの話を聞いて 「人権の大切」 さがわかりました。細かいことはまだわからないけど、人権とは「人が人を慈しみ、信じること」なのかな、と私は感じました。普段、あまり考えることのない 「人権」 のことを、自分なりに解釈できて、本当にお話を聞けてよかったと思いました。ありがとうございました。

●河野さんはがんばり屋だと思った
  犯人扱いされた河野さんは、検察のひどい尋問に負けなかったというが、もしも僕が同じようなことをされたら、すぐに負けてしまったと思う。だから、河野さんはすごくがんばり屋だと思った。この話を聞いて、一番強く感じたことは、最後まであきらめないようにしていれば、いつかはむくわれる、ということです。だから、今まで僕はすぐに投げ出しがちだったので、これからはもっとねばってみようと決意した。

●他にも同じような人がいるんじゃないかと思った
  警察のしたことは、全く人のことを考えていなくて、早く事件を終わらせるためにしょうがなくやっているように思いました。この話を聞いて、他にも同じような人がたくさんいるんじゃないかと思いました。でも、この話は良い弁護士さんがいて、無実を証明できてよかったと思いました。でも、そのまま罪になってしまう人もいるんだと思います。なので、警察もしっかりと調べて、その人の人権をおかさないように捜査すべきだと思いました。ためになる話をしてくださり、ありがとうございました。

●河野さんの精神力を見習いたい
  私はまず、河野さんの精神力に驚き、そして見習いたいと思った。世間のひどい扱いに耐え、無罪が証明された今も、寝たきりの奥さんを信じ続ける河野さん。絶対にいつか願いが通じて、普通の生活ができる日がくると思う。もしも、一生このままになってしまったとしても、奥さんは河野さんの強さと優しさを充分すぎる程に感じていると思うから、ものすごく幸せな一生になると思う。私は今、悩んでいる事があって、半分あきらめかけているものがあった。でも、河野さんから「最後まであきらめない」ことの強さと 「信じ続ける」 ことのすばらしさを教わり、 「また頑張ってみよう!」 と思えるようになった。 「辛いのは私だけでない」 と希望が見えた。河野さんには、これからも奥さんを支え続けていってほしい。

●私も永田さんのようになりたい
  オウム事件のことは、おぼろげに記憶に残っているけど、河野さんのことはちょっとしか知らなかった。自分が被害にあい、自分の大切な人が寝たきりになってしまった上にその事件を自分のせいにされるなんて、本当にもう…災難すぎる。誰も自分の事を信じてくれない、みんな自分のことをひどい人間だと思っているなんて、私だったら悲しすぎて死んでしまうかも…永田さんは素晴らしい人間だと思う。私も永田さんのようなあたたかい心をもった人になりたい。体が痛む人、心が苦しい人、困っている人のことが自分のことのように感じられることが、私には結構ある。本人にしかわからないことってあるから、その人の気持ちを100%理解するのはたぶん無理だと思うけど、100%じゃなくても、その人の気持ちを理解して助けてあげてその人の心の支えになりたいなぁと思う。