今、コミットしている現場から  梓澤和幸

秘密保護法 何が問題か。コメント

  2013年11月9日デモクラTV(ネットテレビ)に以下のコメントをした。

問い どういう点が一番問題か。
  防衛、外交、テロ、スパイ防止に関して主務大臣が指定した秘密を暴露する行為が処罰されるが、秘密とは何かがはっきりきまっていないから、 政府にとって都合の悪い情報は全部隠される。

1、 都合の悪い情報とは何か。
  戦争に関する情報である。

2、 アメリカの起こす戦争のことを強調したい。
  なぜ今、こんなに日本で秘密保護法を急ぐのか。
  アメリカが秘密を要求しているからである。
  なぜ秘密がほしいか。
  朝鮮半島、尖閣、台湾、南しな海、アフガン、イラン、パレスティナとアメリカは火種となるところでどこか戦争をおこしたいと考える国だ。
  フランスもドイツもイギリスでさえも同盟軍を組めない。韓国も国内の運動が強くて海外派兵など簡単にできない。
  ならば言うことを聞く日本こそ。
  安全保障会議法が衆院を通過したが、そこでは中国が北と同列に安保の対象とされる。

  このとき自衛隊の軍事力、在日米軍基地、日本の経済力を使いこなしたい。
  武力行使には大義、正義が必要である。世論操作、メデイア操作に邪魔になるのは真実が表に出ることである。 ベトナム戦争ではエルズバーグという米政府の公務員が提供した7000ページの政府文書ペンタゴンペーパーズのスクープ、 北ベトナムの砲撃など挑発によるものであらかじめの陰謀で誘い込んだとの暴露でアメリカは窮地に追い込まれた。

  イラク戦争では世界で1000万人のデモでも戦争開始を防げなかった。しかし、大量破壊兵器のないことを知っていながら爆撃をはじめた。 次にアメリカがウソの正義で戦争をおこすとき、真実が暴露されては戦争に日本をまきこむことはできない。 ウソを知っている情報を持つ人間をおさえなければならない。真実を追う記者をおさえなければならない。それで10年の懲役という重い処罰をもってきた。
  アメリカがこの法律を欲しがっていることを知るべきです。
  対シリアでみられたようにイギリスなどヨーロッパから拒否され、世界で孤立しつつあるアメリカが日本の経済力と自衛隊の軍事力を必要としている。 そのときに使われるのが秘密保護法だと考えます。

問い 原発に関連してはどうなのか。
  原発では、放射能の分布情報が隠される。
  福島の事故のときも浪江町の山よりでは330マイクロシーベルト、通常の1000倍以上の放射能が隠され、避難してきた人も一層の被曝をした。 わかっていたのに避難の人たちには知らされなかった例がある。 ヨーロッパで拡散情報が作られたり国内の記者も現地におもむいた。被害の恐ろしさが脱原発の世論をもりあげた。これをおさえるのが秘密保護法だ。

  運動の展望(★ここは時間がなく話せなかったが触れたかったこと)
  ニューヨークタイムズの10.29社説 に注目したい。 社説は無限定な秘密の保護による民主主義破壊を警告。 また日本版安全保障会議法が中国を北朝鮮と同列に置いている点に要注意の声を上げた。 世界で紛争の火種をつくるアメリカに従属し、アジアで緊張を高める、日本の右傾化政権に警戒感を高める国際世論を反映するものだ。

  ベトナム戦争の際にペンタゴンペーパーズ暴露を会社の命運をかけてたたかった、ニューヨークタイムズの警告としてみると重いものがある。