合唱指導をする立場から 譜読みにとりかかってから数ヶ月。楽譜とにらめっこで音を必死に覚えるところから始まり、心を表現するにふさわしい声づくりに時間をかけ、 「この曲が伝えたいものは何か」 と、音楽の表現をめぐってメンバーの間で激論が戦わされることもあった日々をともにしてきました。 パブロ･カザルスが争いのない世界を希求して演奏した 「鳥の歌」、人がひとに寄り添い信じる気持ちを歌った 「Believe」 はメンバーが大好きな曲です。 このコンサートでは、メンバーが作詞・作曲したオリジナル曲も発表します。「みんなで歌いたい、 と思って作りました」 と歌を吹き込んだテープを持ってそのメンバーは私のところに駆け寄ってきました。 他のメンバーはこの曲がすっかり気に入り、歌詞を自分のものにしようと身を入れて練習しています。その練習風景を見ていたある音楽療法実習生が、 メンバーの表現の迫力にうたれ、思わず涙が出そうになった、と伝えてくれました。 この他にも、のんびり・あったか・ユーモラスな私たちのデイケアらしさを伝える企画がもりだくさんのコンサートです。 私はデイケアでメンバーと音楽を創ることにより、音楽の本当の歓びを知りました。多くの皆様にハートビート・コーラスの響きを聴いていただきたい、 と願っています。ご来場を心よりお待ち申し上げております。 梓澤まり
