朝鮮半島〜核をめぐる危機〜    梓澤和幸


●目次
38度線からの米軍後退は先制攻撃の予兆だ!
最近ある集まりで発言したことの要旨
朝鮮半島の核危機について
朝鮮半島核問題の理解と解決策の模索
平和と人権のための日韓法律家広島宣言



38度線からの米軍後退は先制攻撃の予兆だ! (2003年7月9)

第1、いつ、問題に気がついたか
  外国人特派員がワシントンからのニュースとして、米軍後退はベトナムの再現を防止する為と教えてくれた。
  それは03、2−3月

第2、インターナショナルヘラルドトリビューンをなるべく読むことにした。
  タイム誌にも注目
  すると次のようなニュースが目に。

@ラズフェルド国防長官は、3月6日、38度線、非武装地帯にいる米 軍将兵37000人をソウルよりも南に後退させて配備することを検討 中と発言した。(インターナショナルトリビューン3月8日1ページ)
  米軍を後退配備させるのは、米軍の北核施設への爆撃の可能性を示唆す るとの考えがソウルには広まっていることを同紙は3ページで伝えている。 ソンインチョル与党議員の見解が引用されている。 (インターナショナルヘラルドトリビューン3月8日3ページ)

Aリチャードローレス、Richard Lawless (アメリカ国防総省 )と クリストファーラフルーChristfer Lafleu r(アメリカ国務省) 氏は 4月7日ソウルでチャヨング氏韓国国防省第一政策担当官と会談。
  韓米間ではじめての公式駐韓米軍配備検討会談を行った。

Bノムヒョン大統領は、ラムズフェルドなど氏が表明する米軍の後退策 については警戒感を表明している。
  韓国には、アメリカがヨンビョン (寧辺) の核施設を先制攻撃するので はないかとの懸念が広がっている。米軍の後退策は、アメリカが北の核 施設を先制攻撃したときの備えではないかとの疑念がある。つまり、先 制爆撃―北の38度線への報復というコースを歩んだとき、38度線の 米軍に被害が出ては困る、だから米軍を下げようとしているのではない かというのである。(インターナショナルヘラルドトリビューン4月8日付け1ページ、8ページ)

CF-117ステルス戦闘機は北朝鮮の核施設を外科手術的に爆撃する能 力があると指摘されているが、これが6機韓国に配備された。(4月5日朝日新聞四ページ)

D4.10 ヘラルドトリビューン
US weighs shifting troops south of Seoul との見出しの記事
「米韓双方の軍幹部は、16000人の第2歩兵師団を38度線〜ソウル より南に下げることを真剣に検討中と述べた。」
  ソウルでよく聞かれる話であるが、これはアメリカが北の核施設を先制 攻撃したときの、北の砲兵、地上軍部隊による反撃の圏内から米軍をは ずすためだという。

E03、3、20 ヘラルドトリビューン
  Us pilot aren’t looking for a fight but are ready と題する記事

F在韓米軍家族ら岩国に避難訓練、朝鮮半島有事を想定 (2003,4,5朝日新聞夕刊)
  基地機関誌ストリーテラーによると、ソウルの北にある在韓米軍のキャンプケーシーから米兵の家族ら132人が参加して、 輸送機や高速輸送船に分乗。食料や医療の支援を受ける手続きをした。

Gラムズフェルドの米韓首脳会談翌日の発言
  在韓米軍再配置の戦略は変わらないと。

第3、朝鮮日報3月4日の記事
  第2歩兵師団をソウルの北から群山から平沢まで下げる。
  ソウルは大騒ぎ。軍事研究5月号掲載のラムズフェルドのスピーチ
  op、 4057  プラン
  先制攻撃プラン

第4、日本との関係――有事法制の核心は予測事態も武力攻撃事態 としたこと
  予測事態で対処基本方針
  対策本部
  指摘公共機関等
  陣地構築命令
  これは物資収容、業務従事命令に発展する。
  1999年4月7日の共同通信記事
  有事5段階

  4段階で防衛待機命令 (武力攻撃事態法でいう予測事態)、朝鮮総連破防法で解散命令
  5段階で北の核施設爆撃

第5、なぜこの二つが記事にならないのか。
  朝鮮半島の危機は他人事。
  2000万人のソウルのこと
  400万人が死亡するとのクリントン政権の予測

第6、アメリカは北朝鮮の核兵器開発のどの時期をレッドラインとみているか。
  つまりどこまで行けば軍事行動をとるのか。
  ブッシュ政権はこれを明らかにしていない。
  ポネマン氏は、燃料棒からプルトンニ取り出しの時期といい (朝日新聞4月3日シンポ)、 タイム誌は地下核実験か (タイム誌03、3,1736ページ、 核兵器用の物質を外国に輸出したとき (タイム2003年3,17号37ページ )とみる。
  アメリカはテロリストに核兵器がわたることを恐れている、という。

第7、日朝正常化交渉の可能性は?
  最上教授の「人道的介入」のことば
  「介入せよ。しかし上流で。」 「介入せよ。しかし武力行使でない方法で」
を結びとしたい。